従業員エンゲージメントを支える10個の要素 – 10. 成長実感
こんにちわ。従業員体験( EX )の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
従業員エンゲージメント(Employee Engagement)は、従業員が組織についてポジティブに捉え、共感し、強くコミットして働くような状態です。従業員エンゲージメントが高いと、事業成果に向けたパフォーマンスが高まるとされています。
従業員エンゲージメントに関する代表的な10個の要素を1記事につき、1項目ずつ紹介していきます。
他の要素が気になる方はまとめ記事をどうぞ。
今回は「成長実感」です。
「成長実感」とエンゲージメント
技芸を磨き、成長していく熟達は人が持つ内発的な動機の一つです。特にITエンジニアの方で「業務上の目的を達成することは大事だし、意義を感じるが、プログラミングはそれそのものが目的になるくらい没頭できる」という方は珍しくないでしょう。対象に没頭し、時間を忘れるような感覚を得る「フロー」と呼ばれる状態は幸福感さえ伴うと言われます。
このように、自己の成長とその実感はエンゲージメントの向上につながります。
「成長実感」が不足しているとどうなるか?
成長実感が不足していると、停滞感を感じることになります。また、成長実感を得ているときのような、「仕事をすること自体への没頭感」を得にくくなります。
例えば、
- 同じような仕事の繰り返しで退屈
- 停滞感からくる将来への不安
- 自信の喪失からくる挑戦の減少
というような影響が予想されます。このような状態では、エンゲージメントが低下してしまいます。
成長実感を得るために必要なこと
成長しているが、成長を認識できていない場合
上司やメンターが従業員の成長について本人に伝えること
実は成長できているが、本人が成長を実感できていないケースがあります。
例えば
- 新しい知識を身につける
- 新しいスキルを身につける
- 新しいスキルを実践で活用できるようになる
- 既存のスキルの質が上がる
などは、どんなに小さくても成長の一つです。一方で、もっと大きな成長がなければ「成長している」と認識しない方もいます。
日々の業務の中でどんなに小さな単位でもいいので成長要素に該当するものがあるか、質問を通して整理の手伝いをしましょう。
そして「それってあなたの成長ですよね?」と自覚を促しましょう。
成長できていない場合
上司やメンターが従業員の成長に必要な要素をスキルマップ等で確認可能にする
ある程度わかりやすい成長過程が存在する場合、それらの要素を可視化すると従業員が参考にして成長対象を選択しやすくなります。
主に、「初心者〜ジュニア〜中級者〜上級者の入り口」あたりまでの部分はこういった形で道を整えやすいでしょう。
そして、その先の上級者〜熟練者までいくと、既存の道をなぞるだけでは進めなくなるケースがでてきます。
その場合は、次の「上司やメンターが従業員が自己の成長に悩んだときの相談相手になる」の出番になります。
上司やメンターは従業員が自己の成長に悩んだときの相談相手になる
従業員本人が成長するために必要な要素がわかりやすい範囲まで一通り身につけ、一人前まで到達したあと、その先をどのように進めばいいかわからなくなることがあります。こういった際に、相談相手として「どうなっていきたいか」「そのためには何が必要か?」「必要なものを伸ばすためには何をすればいいか?」などを整理してあげることで霧がかかった成長の道を照らすことができるとよいでしょう。
上司やメンターは従業員の成長機会を織り込んだアサインをする
成長の要素には、座学やお試しで知識・スキルを身につけることができるものもありますが、実践が欠かせないものあります。
その意味で、成長につながる実践経験は重要になります。
上司やメンターはメンバーとなる従業員が一通りの業務を習得してしまったら、新たな経験を得られるようなアサインをすることで、成長機会を提供します。上司やメンターがアサイン権を持っていない場合は、アサイン権を持つステークホルダーとの調整をすることになります。
従業員にジョブ・クラフティング等、自ら成長の工夫をする方法を教える
成長の要素は自分自身で作り出すこともできます。すでに経験済みの業務だけになった場合も、自発的に質・効率の向上に向けて試行錯誤をすることができます。自ら仕事をカスタマイズする手法としてジョブ・クラフティングがあります。
こういった工夫をノウハウを教えてましょう。